のらりくらり

いつだって漂っていたい

安定の不安定との戦いも過去に捨て去り気付けばひとり

シドニー×ウルル旅行おわりました。
旅行記録は写真とともに更新したいのでまた後日(デジカメとパソコンつなぐのめんどうくさくて)(難しい作業でもないのにね、このひとは全く)。

弟と初めての二人きり旅行、しかも海外、ってことでほんとどーなることやらとおもったけれど、案外すんなり一週間終えることができました。ストレス死すんじゃないかって思ってたけど、はらわた煮えくりかえるほど腹立たしいことってなかった。海外マジック!というよりか、一区切りついたんだろうなぁ。弟を一個体として切り離して考えることができるようになった。

今まではどうしても「血のつながりのある唯一の姉弟」「なのにどうしてあたしの逆ツボばかりついてくるの」というところが引き金になって、考えが反する会話をする度に自分の意見を押し付けてやっぱりあたしたちって分かち合えないね、ってところに落ち着きつつもすっきりしないまま幕を閉じていたのだけれども、今回もそういう流れになったときにふと冷静になった。あたしは自分が正しいと思っているから「そういう考え方よくないよ、直した方がいいよ」とか「こういう考え方/ひとだっているから、それが全てじゃないのよ」とか意見してしまうのだけれども、どうしても弟は自分の考え方を確固として持っているしそれに対して悪びれもしていないし、あたしが何を言ったところでそれは「余計なおせっかい」にしかならない。正義のツラしたお節介はタチが悪い、とおもっているけれど無自覚なだけであたしはそれを弟にしていたのかもしれない。あたしの信じる「正義」と弟の抱く「正義」の形はちがう。ネット上で自らの正義を画面越しの誰かに押し付けたがるひとをちらほらと見かけて嫌悪感を覚えることがあるけれど、あたしも似たようなことを弟にはしてしまっていたのかもしれない。姉、という職権乱用。

と同時に、あたしはかつての恋人さんたちに対しても同じようなことをしてしまっていたということに気が付いた。自分の主義だとか正義だとかと違うところを発見する度に、心の中で「このひとはあたしとはちがうひと」という認識を植え付けていく、というタチの悪い方法で。初めはその部分を見て見ぬふりをして、けれどもそれらは澱のように心の底に溜まってゆく。結果、あたしのなかで静かに爆発する。ちがう、ということを受け入れきれずに堪えられなくなってアレルギー反応のようなものを起こしてしまう。

弟のように自分の考え方をぶつけられないのは一重に「他人」だから。結局曖昧な関係性でしかないから、嫌われるのがこわかったり、自分を押し付けることによる衝突を恐れていたり、様々な被害妄想を抱かないための自己防衛のために口を閉ざしてしまう。

けれども弟にはそれをする、結局、甘えていた。色んな形で家族には甘えている。

もしかして、両親が子供のあれこれに対して干渉してくるのも似たようなかんじなのかしら。自らが生み出した個だったら余計に自分とかけ離れてしまうことを恐れてしまう気がする、手放しでそれを楽しめるひとってなかなかいないんじゃないかしら。たぶんそういったところだけじゃなくて、世間体だったり、愛だったり、自分の理想だったり、色々な要素がからんでくるから厄介なんだろうなぁ。よく「本当に子供のことを思っているなら、子供がしあわせであればそれでいいはず」って言うけれど(そしてあたしもよく言っていたけれど)なかなかそういう訳にはいかないよねぇ。それこそ、親に対する甘えだわ。「親」であると同時に、一人の人間であることを決して忘れちゃいけない。

この旅行で最後にする。もう、オトートに対しては干渉しない。

ずっと抱いていたオトートに対するわだかまりに決着がついてその延長線上にかつての恋人さんたちがいることに気が付いて、よかったのかしら。わかんない。オトートのことは切り離して考えることができそうだけど、この先のいるかもわからない恋人さんたちのことはそうやって考えることができるようになるのかしら、はたまた、意見を擦り合わせようって努力する方向にもっていくことができるのかしら。ずっとこうやって防波堤の向こうに相手を見ていた訳だから、そう簡単には打ち壊すことなんてできなさそうだわ。何の打算もリスクも考えず、単純に自らを預けるなんてできるのかなぁ。想像できないことはできないことだ、っておもってしまう時点で既に諦めてる。そういう愛し方でもいいって思える日が来ればいいのだけれども、こういうことに気づいてしまった今、自分の中でこの人が好き!恋だわ!という盛り上がりに持って行けなそうな気がしてる。いや持って行くとか行かないとかそもそも恋って落ちるもんだっておもってるけど、自分で多少の脚色はするじゃない。

これから恋、できるのかなぁ。

そういえばあたし、ずっと自ら恋に落ちていない。